金髪を翻らせて躱すリューク。

日の光を反射させて追いすがる椿の刀。

焼けつく日差しの下で繰り広げられる攻防は、超一流の演武を見ているかのようだった。

白い砂浜には、2人の足跡は殆ど残されてはいない。

必要最小限の動きのみで、回避と攻撃を行っている証拠。

2人は、既に達人の域に達する体捌きを身に付けつつあった。

しかしそんな攻防も。

「…ふう」

椿が刀を止める事で、終わりを告げる。

「今日は暑いね。こうも暑いと、集中力が続かないってものだよ。それに」

椿は木陰で隠れてこちらを見続けているディアに、流し目を送る。

「女の子を炎天下で待たせ続けるのも、紳士的ではないかな」

(椿ったら…!)

気付かれていた。

ディアは恥ずかしさに頬を染める。