天神学園のお忍びな面々

そうやってモジモジしていると。

「やあ、リューク」

椿が四季片手に歩み寄ってきた。

「リカちゃん先生にフラれたのかい?じゃあ僕と一手仕合ってくれるかな」

「…望む所」

薄く笑みを浮かべ、2人は組手とも本気ともつかない模擬戦を始める。

夏の陽光を反射する四季の白刃を、汗を飛び散らせつつ次々回避するリューク。

超ヒノモト人化を覚醒させてから、地の力もそれに引っ張られて上昇したのか。

リュークの動きは以前にも増してキレが良くなったように思える。

そんな動きでさえ、椿の剣を回避し続けるのは至難の業だった。

流石は夕城三人衆きっての天才。

切っ先が、リュークの体に見えない糸で繋げられているかのようだ。

どんなに複雑な動きで躱そうとしても、的確にリュークを追い詰めていく。