天神学園のお忍びな面々

それは、木造校舎に似つかわしくない大きな鉄扉だった。

入り口には大きな南京錠がぶら下がっている。

「開錠…されていますわね」

呟くエレナ。

「こんな扉、あったか?」

「昨日の大掃除の時に、あるのは知ってたの。でも固く施錠されてたし、鍵もなかったから開けられなくて放置していたんだけど」

レオと美緒が話す。

「何者かが、開けた…?」

ディアの言葉に、一同が強張った顔をする。

「よし、入ってみようや!なぁに、中を確認しちまえば、どって事ねぇってすぐにわかるさ」

怖気づくエレナとマモルを強引に引き摺りつつ、一行は扉の奥へと進んでいった。