木造校舎は老朽化が進み、何処を歩いてもギシギシと音がする。

「雰囲気出してくれるのはいいけど、あまり怖くないね。外はお天気いいし、割と明るいからかな」

校舎の窓から見える抜けるような青空を見ながら、美緒が笑う。

「上の階に向かうからだろう。自然光も入り、暗く陰鬱な雰囲気はない」

リュークも別段恐れる様子はない。

「じゃあ、下行ってみるか?」

昇った階段を下り、蘭丸を先頭に下の階へと向かっていく一行。

「といっても、ただ1階に降りるだけだけどね」

ディアが苦笑していた時だった。

「エレナ殿、皆の衆、あれを」

マモルが何かに気付き、指差した。