「テリア、大丈夫か」

リュークがテリアを庇い、夕城三人衆が愛刀を手に守りを固め、レオがイクリプスを抜剣して最前線に立つ。

「これか?テリアが前に言ってた呪術兵器…だっけ?」

「はい…犬神です」

レオの言葉に、テリアは頷く。

ヒノモトではない、何処とも知れぬ惑星で編み出された禁術を元に作られた禁忌。

呪術を利用した人間爆弾。

行使すれば、人でなきものとして目に映るものを破壊して回る獣と化す。

ルルルルル…と喉を鳴らし始めた紀州。

犬か狼のように床に四つん這いになり、瞳は蛇のように縦長の瞳孔となり、身に纏うオーラは黒色の鋭角的なシルエットの猛獣を連想させる。

彼そのものが、凶暴な野獣のようだ。