暫くして。

「あー、もう食えねぇや」

案の定、その男子生徒は殆どの料理に手を付けただけで食べ残した。

「ほら言ったじゃないか。食べ切れないほど注文するなって。勿体無いと思わないのかい?」

堪らず説教を始めるおばちゃんに。

「うるせぇなババア!」

男子生徒は怒鳴り、テーブルの上の料理を払い除けるようにして床にぶち撒けた!

学食に響く皿の音、飛び散る料理、散乱する食器の割れた破片。

「俺が金払ったんだ!どうしようが俺の勝手だろうが!」

静まり返る学食内。

…昼休みという事で学食に来ていた牡丹が、静かに柊片手に立ち上がろうとする。

「待って坊、ここは僕が…」

牡丹を制した椿が代わりに立とうとして。

「おいお前っっっっっっっっ!」

それさえ制するように、紀州が怒号を上げた。