そんな最中。

「餃子とニンニクラーメンと炒飯と焼売」

幾つものメニューを一度に頼む男子生徒がいた。

「またアンタかい」

おばちゃんが呆れた顔をする。

「前もそうやっていっぱい頼んで、残してたじゃないか。食べ切れないのに頼むんじゃないよ。食べ物を粗末にするんじゃないよ」

「うるせぇな」

おばちゃんの言葉にも、男子生徒は聞く耳持たない。

「俺らのお陰で学食は儲かってんだろうが。俺は客だぞ、言われたもの早く作れよ」

「……」

ラーメンを啜りながら、紀州はその様子を黙って見つめる。

「…態度の悪い人だね、紀州君…」

テリアも表情を曇らせる。