甲斐は、走り去っていく先輩の背中を見送る。
「ところで美緒様。先程のあの男は、一体どういう人物なのですか?」
「え?先輩?知らない」
美緒はあっけらかんと答える。
「す、素性も知れない男と懇意にしておられるのですかっ?」
この子アホの子か。
ギョッとする甲斐。
「悪い人じゃないもん。別にどこの誰で、どんな名前でも関係ないでしょ?」
美緒は答える。
「私が天神学園に留学して来た時に、職員室の場所が分からなくて右往左往してたの。そしたら、たまたま廊下で出くわした先輩が案内してくれて…以来、時々出くわす度に親切にしてくれて。でも、あの人無口だから、名乗ったりしないし、ゆっくり話す機会もないし。だから、今も顔見知り程度って感じかな」
「ところで美緒様。先程のあの男は、一体どういう人物なのですか?」
「え?先輩?知らない」
美緒はあっけらかんと答える。
「す、素性も知れない男と懇意にしておられるのですかっ?」
この子アホの子か。
ギョッとする甲斐。
「悪い人じゃないもん。別にどこの誰で、どんな名前でも関係ないでしょ?」
美緒は答える。
「私が天神学園に留学して来た時に、職員室の場所が分からなくて右往左往してたの。そしたら、たまたま廊下で出くわした先輩が案内してくれて…以来、時々出くわす度に親切にしてくれて。でも、あの人無口だから、名乗ったりしないし、ゆっくり話す機会もないし。だから、今も顔見知り程度って感じかな」