事態は急を要する…訳でもないが、リュートは豆柴に観光して来いと言った訳ではないのだ。

いい加減には仕事してもらわないと困る。

とはいえ、ヒノモト護衛部隊『番犬』も、そう大所帯ではない。

他の隊員達も任務で出払っているのだ。

本来の任務である将軍の護衛をリュートが解いてまで、ヒノモトの為に特使として派遣したり、敵対しそうな惑星に密偵として送り出したり。

「ああもう、なのに豆柴はよぉ。あいつもうオヤツ抜き!」

可愛いお仕置きだ。

「どうすりゃいいんだよ!もう他に人手がねぇんだよ!」

そろそろ癇癪を起こしそうなリュート。

そんな彼の前に。

「失礼するぜー」

スラリと襖が開き、2人の若者が入ってきた。

「今任務終わって帰ってきたよ、将軍」