日もすっかり落ちた。

エレナとマモルは、両親が心配するのでと、紫陽花が泊まって行けというのも遠慮して屋敷へと帰っていく。

帰る直前。

「おい、マモル」

牡丹が夕城邸の門まで追ってきた。

「夕城道場に顔を出すようになるのだろう?」

「…そうですが、何か」

「……」

口を真一文字に結び、仏頂面の牡丹。

その口が。

「遠慮する事はない」

告げる。

「俺達に隙があるなら、夕城次期宗主の座、奪いに来い」