天神学園のお忍びな面々

「しつけぇ野郎だ」

八重歯をギリッと噛み締め、蘭丸はレオを睨む。

「諦めろチビ。みぃは、俺のもんだ」

「何を根拠に。愛称付けたくらいで私物みたいに言うんじゃねぇ」

レオもまた、地面を踏ん張り押し負けまいとする。

「みぃとはな!」

蘭丸は喉元まで吐き出しかけ。

「っ……」

美緒と唇を重ねた事実を、口にするのをやめた。

ただのアクシデントであったし、何より、秘密にしておくという美緒との約束だ。

約束を違えるのは、男ではない。

「言いたい事があるなら…」

苛立ちながら、レオが吠える。

「言ってみろっっっっっっ!」

イクリプスで押し勝ったレオは、蘭丸を後退させつつ、精霊召喚を試みる。