アッパーを躱して着地した先輩は、すぐさましゃがんだ。

甲斐の眼下、まるで隙だらけの顎を狙うように。

事実、先輩はその顎を狙って、お返しとばかりに蹴りを放つ!

飛び上がって体を竜巻のようにスピンさせながらの回し蹴り!

動物的な反射神経の甲斐でなければ、確実に捉えられていたであろう。

その蹴りに戦慄していると。

「!?」

その蹴りは止まる事なく、その場で高速回転した!

驚きに目を見張っていた甲斐は。

「!!?」

回転に巻き込まれ、顎を強烈に蹴り抜かれた!

まさしく竜巻のように。