天神学園のお忍びな面々

車内で転倒しそうになった女性客が、小さく悲鳴を上げた。

その声に紛れて、誰にも気づかれなかったが。

「~~~~っっっ…」

美緒は目を白黒させ、蘭丸は体勢を立て直した。

「いや、悪い悪い」

「っっっっっ…」

「初めてだったか?」

「ら…!」

「いやいや、役得だなあ、おい」

「~~~~!」

「これでレオの奴に、一歩リードってな」

「蘭丸先輩っっっっ!」