呼ばれ、青年は振り向く。

足を止め、顔だけをこちらに向けた。

武骨で意志の強そうな顔立ちだった。

どことなく東洋人の風貌を思わせる。

将軍…龍斗公にも似ているような。

「美緒じゃないか。明けましておめでとう」

笑みもせず、美緒に挨拶を交わす。

実に無愛想だ。

「美緒様」

甲斐が美緒に訊ねる。

「この男はお知り合いで?」