天神学園のお忍びな面々

腹出し爆睡部の稽古を終え、龍鬼とリュークはそれぞれ家路につく。

白雪と共に柔道場を出ていった龍鬼を見送った後。

(さてと)

リュークはディアと美緒の待つ教室に向かおうとする。

彼はディアの護衛だ。

無事学生寮まで送り届けなければならない。

そう思って踵を返したリュークは。

「!」

既に柔道場の外で待っていたディアに、目を丸くした。

「…リューク、柔道場の戸締まりは私がやっておく。先に帰れ」

空気を読んだリカが、リュークを先に帰す。

「そ、それでは…お先に失礼致します、老師」

一礼して、リュークはディアと共に廊下を歩き始めた。

柔道場から離れ、幾らもしない所で。

「リューク」

ディアはリュークの長い金髪を軽く引っ張って止める。

何事かと振り向くリュークを向き直らせ、ディアは彼の赤い道着をグイと開けた。

あら、ディアさん大胆。

「理事長の馬鹿っ、そんなんじゃないからっ」

汗で湿った道着にも構う事なく、ディアはリュークの胸に直接触れ、目を閉じる。