「初売りは、風邪で寝込んでいたせいで行きそびれちゃったからね」

意気揚々と歩く美緒。

「服に靴にアクセに、欲しい物いっぱいあるの。お父様にお年玉も沢山もらった事だし、ちょっと今日は散財しちゃおうかしら」

そんな美緒の後を、ノロノロと歩く甲斐。

何処の世界でも、ご婦人方は買い物がお好きと見える…。

あれほどヒノモトのお城に着物や簪を持っておられるというのに、美緒様はまだお召し物が必要なのか…。

男と女では、価値観も異なるようで。

当然荷物持ちとして付き合わされる甲斐は、早くもゲンナリしている。