「み、美緒…?」

考えている事を見抜かれてしまっただろうか。

怒らせてしまっただろうか。

レオは美緒の顔色を窺う。

「…何でもない」

プイとそっぽを向いて、美緒は廊下を歩き出した。

間もなく始業時間だ。

そろそろ教室に戻らないと、ホームルームに遅れてしまう。

「ディアもレオも、教室に戻って」

2人の背中を押す美緒。

レオの事は半ば諦めた。

リューク同様、どうせ言っても聞く耳持つまい。

やはり男に振り回されるは、ヒノモトの女の宿命か。