「そうだな。この感じは憑依に近い」

腕組みしたまま、レオが言った。

「だけど、いわゆる精霊憑依と違って、リュークの中でウィスプは休眠しているような状態だ。精霊憑依するとすぐに精霊の力による強化が付加されるもんだけど、多分リュークにはそれがないだろう。ウィスプが眠っている限り、リュークは精霊の力の恩恵を受ける事はない」

しかし何かの拍子に憑依したウィスプが目を覚ますと、先日のような強い力が顕現する。

特に、ウィスプと相性が良いと思われるリュークは、並の精霊憑依以上の力を得られると思われる。

リカが超ヒノモト人などと称する所以だ。

「いつの間にリュークにウィスプが憑依したのかは分からないけど、休眠している分には悪影響を与える事はないと思う…その代わり、覚醒した時は大きな消耗を余儀なくされると思うわ。リュークは精霊術については素人だから。ウィスプのコントロールの仕方が分からないでしょ?急激に体力を奪われてしまうと思う」

ディアはそれとなく、超ヒノモト人化の使用を控えるように釘を刺した。