「何で僕が、坊の技の情報を豆柴ちゃんに教えてあげたか分かるかい?」

「…分かりますです」

豆柴は頷いた。

「知られた所でどうにもできないからです。斬鉄・極の正体が分かったからとて、回避以外に出来る事はないからです」

「御名答。豆柴ちゃんは賢いなあ」

椿は他意なく誉めたつもりだったが、豆柴は嘲笑われた気分だった。

夕城流は、夕城三人衆は、他流派に絶対負ける筈がない。

目の前で、そう宣言されたような気分だったから。

しかしそれだけの技を編み出して、彼らが絶対の自信を持つのも致し方のない事。