「は?」

夕城道場での、三人衆の稽古。

牡丹に言われて付き添って来ていた豆柴は、呆れた顔をした。

「超ヒノモト人ですか?何ですかそれは、アホですか」

「いえぇ、そんな言い伝えとかないかなぁと思いましてぇ」

ニコニコしながら、眼鏡の奥の瞳を細めるリカちゃん先生。

「生粋のヒノモト人は、ヒノモトに伝わる武芸しか扱いませんです。将軍様がいらっしゃってからは、ぐりふぃのぉ拳闘術も多少なり学ぶようになりましたが、それでも護身術程度です。貴女のような化け物並みの強さを持つ無手の使い手はいないですよ、リカちゃん先生」

「はてぇ?何の事やらぁ。それはチャイナビューティの事じゃないですかぁ?」

現在はリカちゃん先生モードです。

「ともかく、ヒノモト人は魔力やら精霊術は使えないですから。惑星間の交流で『関所』と呼ばれる転移の技術はありますが、戦闘用ではありませんですし」

豆柴はそう言って、首を傾げた。