んん…と。

隣の部屋で、美緒が寝返りを打つ声が聞こえてきた。

美緒様は、よく寝ておられるようだ。


「……」

ふと、先日の診察の件を思い出す甲斐。

赤面している自身の顔が、窓に映る。

甘酒のせいなのか、別の理由なのか…。

「ゴホン」

甲斐は、わざとらしく咳をする。

飲み直しだ。

ヒノモトの護衛と美緒様の結束の為に。