そう思っていたのに。
「レオは優しいね」
その優しいと思っている美緒が、レオにそんな事を言った。
「優しい?俺が?」
「うん」
美緒は頷く。
「昔、天神学園に留学していた将軍様から教えてもらったんだけど…こっちの世界にはレオと同じ名前の生き物…ライオンっていう猛獣がいるの。百獣の王って呼ばれるほどの、強い生き物なの」
それは、レオも父のティグルから聞いた事がある。
ティグルが虎ならば、レオは獅子なのだと。
どちらもこの世界では双璧を為すような猛獣なのだと。
だから自身の名前は、ただただ強さの象徴なのだと思っていたが。
「そんな百獣の王って呼ばれるほどの生き物なのに、ライオンは食べる為以外に強さを見せる事はないんだって。近寄って行ったら追い払う事はするけど、決して傷付けない。戦うのは、狩りの時と仲間や家族を守る為だけ」
そう言って、美緒はレオの背中の、鞘に収まったままのイクリプスに触れた。
「こんな凄く強そうな剣を、私を温める為に使うなんて…優しい人じゃないと思いつかないよ」
「レオは優しいね」
その優しいと思っている美緒が、レオにそんな事を言った。
「優しい?俺が?」
「うん」
美緒は頷く。
「昔、天神学園に留学していた将軍様から教えてもらったんだけど…こっちの世界にはレオと同じ名前の生き物…ライオンっていう猛獣がいるの。百獣の王って呼ばれるほどの、強い生き物なの」
それは、レオも父のティグルから聞いた事がある。
ティグルが虎ならば、レオは獅子なのだと。
どちらもこの世界では双璧を為すような猛獣なのだと。
だから自身の名前は、ただただ強さの象徴なのだと思っていたが。
「そんな百獣の王って呼ばれるほどの生き物なのに、ライオンは食べる為以外に強さを見せる事はないんだって。近寄って行ったら追い払う事はするけど、決して傷付けない。戦うのは、狩りの時と仲間や家族を守る為だけ」
そう言って、美緒はレオの背中の、鞘に収まったままのイクリプスに触れた。
「こんな凄く強そうな剣を、私を温める為に使うなんて…優しい人じゃないと思いつかないよ」


