天神学園のお忍びな面々

しばらく待てば、雨脚も収まるだろうか。

ハンカチを取り出し、美緒はレオの頬を拭く。

「俺はいいよ、美緒、自分の方を拭きな、じゃないと…」

言いかけて、レオは視線を逸らす。

雨に濡れた美緒のブラウスが透けている。

肌や下着までうっすらと…。

「そ、そうだね、ごめんねっ」

その事実に気付き、背を向けて慌てて隠す美緒。

気まずい。

「…そうだ」

レオは背負ったイクリプスの柄を握った。

抜剣まではしない。

加減が難しいが、上手く調整して。

「よっと」

レオが魔力を通すと、ぽぅっ、と。

灯火程度の炎が発生した。

仄かに温かい。

これなら濡れた服も乾くだろう。