朝から降り続けていた雨も、今は小康状態。

レオは美緒と共に、近所のコンビニへと向かう。

念の為に傘は持っていたが。

「うわ…」

買い物を済ませてコンビニを出る頃になると、雨風ともに随分と強くなっていた。

近頃はおかしな天気だ。

晴れていたと思ったら、天気が急変する事もある。

「美緒、傘は俺が持つよ」

極力美緒を雨風から守るようにしながら、少し足早にレオは歩き出す。

傘を叩く雨音は大きく、近付かなければ傘の中でさえ、美緒の声が聞こえないほどだ。

道行く人々も、急な豪雨に泡を食ったように駆け始めている。