天神学園のお忍びな面々

「椿、焼いてばっかりで疲れるでしょ。交代」

ディアが焼き場担当の椿に言う。

「そうかい?ディア、有り難う」

お言葉に甘え、椿は少し手を休める。

「で、どうなの?」

「何が?」

料理は好きなのか、楽しそうに串をクルクル回すディアに、椿が訊ねる。

「リュークとはさ」

じゅー。

肉が黒焦げになってますよ、ディアさん。

「べ、別にどうもない。護衛する側される側っ」

動揺したように、ディアは慌てて串を回す。

「ふぅん、そうなのかあ」

串に肉や野菜を刺しながら、椿は淡々と言った。

「主従関係から恋慕の情を抱くって風にはならないかあ」

「な、ならないよっ、なる訳ないよっ」

「あ、リュークが聞いてる」

「えっ?あ、違うのリューク!別に貴方の事嫌ってる訳じゃなくてっ!」

「ごめん、リュークはリカちゃん先生と話してた」

「……」

「あちちちちち!焼いた串押し付けないで!」