天神学園のお忍びな面々

誰だ、この男は。

リュークもリカも、目の前に立つ龍鬼からそんな印象を受ける。

無愛想で、しかし朴訥とした龍鬼からは想像もできないような軽口。

「よっしゃ」

龍鬼は両手で頬を張った後。

「んじゃ第2ラウンドいくかぁっ!」

猪突猛進、リカに襲い掛かった!

戦法も作戦もあったものではない。

ただひたすらに愚直に、リカに拳を振るい続ける!

全くなっていない。

先程までの方が、攻撃の組み立てとしては出来ていたように思える。

しかし、ただ異能の力に頼っていた先程までと違い、強さを模索する様子は強く感じられた。

拙劣は拙劣なりに、創意工夫している様子が伝わってくる。

そして突飛に。

「!?」

龍鬼はリカの胸に双掌打(そうしょうだ)!

というよりは、最早リカの胸を鷲摑みにしたに過ぎない。