「！」

カメラを持つ手を摑む。

カメラを取り上げる。

リュークはあっさりと、記者の撮影行為を阻止した。

暴力は振るっていない。

カメラを取り上げただけだ。

「報道の自由を邪魔するのかお前！」

別の記者が、リュークの手を振り払おうとする。

その拍子に、カメラがリュークの頬にぶつかった。

ガツッ！と鈍い音。

顔を顰めるが、リュークは反撃はしない。

その記者のカメラも取り上げる。

「放せ！」

「カメラを返せ！」

胸倉を摑まれ、腕を引っ張られ、それでも無抵抗なリューク。

そんな記者の背中に。

「……！」

柊の柄尻が、トン、と当てられた。

「部活動の一環と大目に見ていたが…嫌がる婦女子を無理矢理に撮り、止めに入った者にまで手を上げるのが貴様らの報道の自由とやらか？」

凄味を効かせ、牡丹が大旦那さながらの邪眼で記者達を睨む。