「やあ、豆柴ちゃん。おはよう。昨夜はよく眠れたかい?」

椿が笑顔で豆柴に語り掛ける。

「朝から安産型のケツとおパンツ様を拝めるたぁ、いやありがたやって奴だな」

ゲラゲラ笑うのは蘭丸。

「豆ちんおはよう!お味噌汁好き?焼き魚好き?納豆食べれる?」

紫陽花が早くもフレンドリーに、豆柴を『ちん』呼びする。

どの角度から見ても、穏やかな朝の団欒風景。

そこに紛れ込む、昨夜の草の者1人…。

「「「頂きます」」」

家主・真太郎の声で、夕城家の朝食が始まった。

豆柴の背後に回った牡丹が、柊で彼女の後ろ手の拘束を切る。

「縛られていては飯が食えまい」

そう言って、自らも味噌汁を啜る。