「何れはスマホとかよ、タブレットとかよ、最低でもネット環境は準備してぇよな。プロバイダどこにする?」

手にした扇子で、バッサバッサと扇ぐリュート。

優雅さも気品もない。

そのリュートの正面。

1人の青年が、大広間の畳の上に正座して平伏していた。

「もー…」

頭をクシャクシャとやり、呆れたように声を上げるリュート。

「顔上げろよ、そういう畏まった態度取られると面倒だって、何遍も言ってんじゃんかよ」

「……」

リュートに言われ、青年は面を上げた。

端正な顔立ち。

「お恐れながら龍斗公」

長い金髪を括った、袖無し赤道着の青年が言う。

「お許しがなければ、面を上げる訳には参りません」

「ウゼェ、その話し方」

露骨に嫌な顔をするリュート。