天神学園のお忍びな面々

「金髪の草(隠密、忍者の別称)とは嘗めているのか。隠れ忍ぶ事が生業だろうに」

抜き身の柊を突き付け、牡丹は言う。

「やはり見張りがいたの…?全く気付かなかった」

振り返る事なく、歯の隙間から悔しげに声を漏らす影。

「見張りなものか。厠ついでに、忍び込んだ鼠を駆除しに来ただけだ…気付いているくせに、誰も起きようとしないのでな」

「えっ?」

牡丹の言葉に振り向くと。

「いやあ、眠くてよぉ、どうしても布団から出るの億劫だったんだ」

蘭丸が。

「坊、ごめんね。稽古がきつかったから、面倒で」

椿が。

「俺が出るほどの事ではなかろう、この程度の雑務は貴様がやれ」

真太郎が。

揃って影の背後に立っていた。

剣客ではない連中にいたっては、安心しきって起きてすら来ない。