一通りの診察を終え、溜息をつく甲斐。

気が付けば、彼は美緒以上に大汗を掻いていた。

こうも気疲れするものか。

まさかお仕えする将軍家のご息女の…は…肌を見てしまう事になるとは…。

これ、バレたらもう打ち首もんじゃね?

牛裂きもんじゃね?

絶対美緒様には黙っといてもらわないと。

万が一、

『私、甲斐君に傷物にされた!』

なんて言われた日には…。

別の意味でも汗が止まらない甲斐。