そんな中。

「はいっ」

愛らしい声と共に、挙手する者が1人。

白い衣服を身に纏ったディアだ。

「おやっ、ディアが議題を提議するとは珍しいっ、何でしょうっ、言って御覧なさいっ」

控え目で大人しいディアから発言するとはいい傾向。

白雪にも見習ってほしいもの、などと思いながら、エレナは発言を促し。

「何故リュークと交際しないのですか?」

ディアは直球ど真ん中、核爆弾級の地雷を見事に踏み抜いた。

顔を青くしたり白くしたりする美緒、ピクリと眉を動かすリカちゃん先生、いつも通り何考えてんだか分からない白雪を他所に。

「……さて、そろそろお茶の時間にしましょうかねっ」

エレナは話を逸らそうとする。

「リュークの事、慕っているんじゃないんですか?」

ディアは畳みかける。

語気は穏やか。

しかし、心の奥を見透かそうとする曇りなき瞳で、エレナを見る。