それにしても。

「……」

困ったのは、美緒の寝姿だ。

前をはだけたままで、眠ってしまわれた。

ツボの効果か、発汗も多い。

このまま眠り続ければ、良くなる風邪も良くならない。

俺か、俺が汗を拭き取って、服を閉じねばならんのか。

ええい、決して不埒な事は考えていないぞ。

患者の世話をするのは医師の務め。

汗を拭き取る時に美緒様の体温が伝わってくるが、そんな事は何も気にしてはいないぞ。

服の前を閉じる時に、誤ってお胸に触れてしまって、その柔らかさに驚愕を覚えたりもしていないぞ。

正面から美緒様のお胸を凝視したのは、ボタンをはめる時に見なければ致し方なかったからであって、決して美緒様のお胸を観察したかったからではないぞ、断じて違う!