浮かぬ顔をした者は、ここにも1人。
ディアは誰もいなくなった教室で、窓から校庭をボンヤリ眺めている。
「悩み事?ディア」
声に気付くと、教室の入り口に美緒が立っていた。
「…意地悪な質問ですね、美緒…」
ディアは力なく笑う。
「エレナさんが泣いたんです…あの気丈で凛としたエレナさんが…リュークの気持ちや、私の事を考えて、泣いてまで身を引いたんです…でも…私はエレナさんに悲しい思いをさせてまで、自分の幸せは望まない…そもそもリュークへの気持ちだって、まだ…」
「…そうだねえ」
美緒は困ったように笑った。
「私だって、レオと蘭丸先輩の気持ちに対して、まだ答えを決めかねているもの。どちらか1人を選べなんて、残酷な選択だよね。ましてや、どっちも大切な親友なら…」
ディアは誰もいなくなった教室で、窓から校庭をボンヤリ眺めている。
「悩み事?ディア」
声に気付くと、教室の入り口に美緒が立っていた。
「…意地悪な質問ですね、美緒…」
ディアは力なく笑う。
「エレナさんが泣いたんです…あの気丈で凛としたエレナさんが…リュークの気持ちや、私の事を考えて、泣いてまで身を引いたんです…でも…私はエレナさんに悲しい思いをさせてまで、自分の幸せは望まない…そもそもリュークへの気持ちだって、まだ…」
「…そうだねえ」
美緒は困ったように笑った。
「私だって、レオと蘭丸先輩の気持ちに対して、まだ答えを決めかねているもの。どちらか1人を選べなんて、残酷な選択だよね。ましてや、どっちも大切な親友なら…」


