ディアに想いを告げたのは自分。

エレナの気持ちに薄々気づいていながら、はっきりさせなかったのも自分。

…自惚れであり、増長だと思ったのだ。

エレナ殿の気持ちは嬉しいが、俺はディアを好いている、などと。

そんな台詞を口にする事自体が、思い上がりに感じられた。

その結果、エレナもディアも傷つける事になるとも知らずに。

浮かない表情で2階の渡り廊下を歩くリューク。

その渡り廊下が。

「!?」

突如として崩落する!

渡り廊下を支えるコンクリートの柱が、見事なまでに両断されていたのだ。

上手く崩れ落ちる瓦礫を避けて、舞い上がる埃に咳込むリュークを出迎えたのは。

「やあリューク」

四季・色彩銘刀『大作』四季を携えた椿だった。

「ウチの指南役を泣かしておいて、何だいその情けない顏は」