リュークがディアを慕っていた。

エレナがリュークを慕っていた。

その末に、エレナが身を引いた。

天神学園ではその話題で持ち切りだ。

ディアもエレナも、学園の男子達には人気のアイドル的存在。

本来ならば、『俺にもチャンスが巡って来た!』と色めき立つ者達が続出する所だが、今回は少々違う。

「何だか悲痛だよな。エレナちゃんはきっとまだリュークの事が好きなんだろうによ」

「身を引く辺りはエレナちゃんらしいっちゃらしいけど…」

「不甲斐ねぇのはリュークだよ!アイツがもっと早くにハッキリした態度とってやってれば!」

「ディアちゃんも悩んでると思うぜ、どんな顔して2人に会えばいいんだよ」

多くの者は私情に走るよりも、渦中の3人の心中を察して溜息をつく。