「馬鹿にしてっ!」

刃を肩口に食い込ませたまま、エレナはブーツでリュークを蹴り飛ばす!

食い込んだ刃は離れる。

転倒するリューク。

「好きならば好きでいいでしょうっ!堂々と想いを伝えなさいっ!誰憚る事なく、愛しい者に気持ちを伝えなさいっ!それが例え姫君だろうと、勇者の娘であろうとっ!」

「…エレナ殿…」

上体だけを起こすリュークの前で、エレナは菩薩を納刀した。

「この果たし合いは私の勝利っ、よろしいですねっ?リカちゃん先生っ」

「…ああ」

目を閉じ、頷くリカ。

言質は取った。

「敗者は勝者に絶対服従っ、これは古来よりの理ですっ」

エレナは潤んだ瞳で、リュークを見た。