そんな事を考えながら歩いていた廊下。

ディアは、何やら騒々しい人だかりを目にする。

柔道場。

確かあそこは、腹出し爆睡部の道場として使われている筈…。

「うぐ!」

そんな思考を停止させるほどに唐突に。

リュークが道場の扉を突き抜けて外に転がり出てきた!

「夕城 エレナ」

老師モードのリカが、龍鬼と共に肩を並べてエレナを睨む。

「これはどういった狼藉だ?如何に天神女子会会長のお前といえど、理由なき抜刀は…」

「理由なき?これは異な事を仰るっ」

エレナはユラリと歩を進めた。

「龍娘流の道場に、夕城の剣客が踏み入ったっ。果たし合い以外の何でしょうっ」