天神学園のお忍びな面々

「申し訳ないが…」

甲斐は聴診器を外した。

「もう少しそのままで…今度は横になって下さい…」

「えぇえぇぇ…」

早く前を閉じて胸を隠したいのだが。

甲斐の視線を気にしながらも、美緒は渋々言う通りにする。

甲斐が取り出したのは、塗り薬だった。

「呼吸を楽にする塗り薬です…同時に発汗を促すツボを押します…汗を掻けば風邪の治りもよくなる…大丈夫…痛みはないですから…」

「う、うん…」

不安そうな美緒の体を指でなぞり、ツボの位置を確認して、押す。

「く、くすぐったいよ…甲斐君…」

「すみません…もう少しの辛抱です…」

邪念があっては、ツボを押す位置を違えてしまう。

集中して、集中して。

決して美緒様の大きなお胸に惑わされぬように…。

しかし大きなお胸だな…(邪念)