「え…」

ディアの桃色がかった金髪の長い髪が、風に揺れる。

空色の瞳が震える。

…番犬のままならば、身分違いと口にする事はなかった。

ミルトゥワの勇者の娘と、しがない飼い犬ではつり合おう筈もないと。

しかし何の因果か、リュークは勅使河原家の子息である事が明らかになった。

その事が背中を押した。

戸惑うディアを残し、リュークの裸足の足が地面を踏み締めて進んでいく。

そして、戸惑う娘がもう1人。