「…随分穏やかな顔になりましたね」

ディアは微笑んだ。

自分の素性を知った時、美緒との本当の関係を知った時、リュークは随分と険しい表情をしていたものだ。

己の在り方に悩み、存在そのものを持て余していたように思える。

「リカちゃん先生のご指導ご鞭撻のお陰ですかねぇ」

「ディアやレオが、美緒に付いていてくれたお陰でもある。2人のお陰で、俺は自分の事に集中する事が出来た」

遠くで聞こえる宴の喧噪を聞きながら、リュークは答えた。

「俺が思っていた通りの、グリフィノーの人達だった」