「……」

美緒は辛気臭い顔をして正座していた。

両手で握り締めた紙コップの中の飲み物は、一向に減る気配を見せない。

膝の上に置いたまま、俯いている。

…右からは蘭丸、左からはレオが、美緒と肩を組んでいる。

美緒の背後ではその手がガッチリ組み合い、壮絶なまでの力比べを演じている。

こんな花見の何が楽しい。

「オパーイちゃん、飲んでるか、食ってるか?遠慮せずにジャンジャンやれよぉ?」

にこやかに話しかける蘭丸だが、額に青筋を浮かべているのは見逃せない。

「言われなくても勝手にやるよ、なぁ美緒?ほら、飲み物貰って来てやろうか?」

優しく語り掛けるレオも、眉がヒクヒク動いている。

ここだけ殺伐としたオーラが漂っている。

おまいら仲良くやれ。