天神学園のお忍びな面々

アタフタと。

ベッドの中で美緒が慌てる。

「そんなっ…恥ずかしいよ甲斐君っ」

アタフタと。

慌てたのは甲斐も一緒だった。

「決していかがわしい意味ではないのですっ…美緒様お付きの典医として、美緒様の健康状態を常に維持しなければならないのでっ…些細な事でも見逃せない故の措置…もう一度言いますが、決していかがわしい意味では…」

「……」

その慌てぶりは、美緒よりも上のようだ。

ここまで慌てる甲斐が、助平な目的でこんな事を申し出ている訳がない。

「分かったよ、甲斐君」

頬を染めたまま、それでも美緒はクスリと笑う。

「でも恥ずかしいのはホントだから…あんまりジロジロ見ないでね…?」

そう言って、パジャマのボタンを外して、前をはだける美緒。

それを直視した瞬間に。

「~~~~~っ」

口を塞ぎ、視線を逸らす甲斐。

顔は見えないが、彼の耳を見れば赤面しているのは一目瞭然だ。