打ち込まれる拳。

その打点から、波のように広がる衝撃。

これは、この技はまずい!

受け切る前に何とかせねば、敗北…下手をすれば絶命さえ必至!

「うぉぉおぉぉおぉぉおぉおぉぉっ!」

柊を握り締める。

瞬間、墓石に食い込んだままの刃が、急に軽くなったような気がした。

御影石で出来た墓が、豆腐のようにスッ…と斬れる。

墓石は両断され、男を捉えた刃は、そのまま袈裟懸けに胸板を切り裂く!