何だこの茶番劇。

あっちで剣戟、こっちで膝枕という乱痴気騒ぎに溜息をつき、龍鬼は校舎に向かおうとして。

「ぬ?」

両足が動かない事に気付く。

凍り付き、動きを封じられている!

これは…。

思考を巡らせる暇もなく。

「!?」

二重三重に放たれた封印の陣が、龍鬼に叩き付けられる!

「ぐう!」

両手で防御するものの、龍鬼の腕が鉛のように重くなる。

…校門の辺り、底冷えするような冷気を纏った小さな少女が立っていた。

少女は言う。

「…………………………………………」

いや言わなかった。

ワンテンポ遅いから。