ガキン!とかギィン!とか聞こえてくる金属のぶつかり合う音を他所に。

「さぁどうしますかっ!」

こちらではまだ修羅場が続いていた。

片手でリュークの首を摑み、持ち上げるエレナ。

超力持ち。

「このまま逝かせるのも不憫。世迷言ならば聞いてから討ち取って差し上げますっ」

「な…ならば…」

目を閉じ、覚悟を決めたようにリュークは言う。

「ひ…ひとつ…願いを聞いてくれるか…」

「承りましょうっ」

「…て…天神モールに…」

リュークは息も絶え絶えに言う。

「放課後…天神モールに付き合ってはくれないか…エレナ殿の好みが分からない…2人で一緒に…お返しを選んではくれないか…」

「っ!」

途端にリュークの首を放し、膝枕にて彼を労わるエレナ嬢。

「まぁ、まぁまぁっ、そのような事を殿方からお願いされるなんて初めてですわっ、あらやだ私ったらどうしましょうっ、時にリューク、傷は大丈夫ですかっ、まぁ酷いっ、誰がこのような所業をっ」

「……」

リューク、事切れそう。