エグエグと泣きじゃくりながら、エレナは言う。

「一月前のあの日、あの時、あの場所で！私は朝一番にリュークにチョコを渡したというのにっ！当の本人は修行にかまけて私の！大正乙女の清純な心を弄んだのですっ！」

「あー、そりゃいけねぇやな、リューク」

通りすがりの夕城三人衆が1人、蘭丸が笑いながら言う。

おおっ？

コイツ美緒の肩なんか抱いてるぞ？

美緒はその蘭丸の手を全力で抓っているが。

「チョコ貰ったからにゃあ、ホワイトデーにお返しのひとつもせにゃあ。そらウチの指南役が人斬り働きに走るのも是非もねぇやな」

是非もないのか？

「俺なんか見ろ、オパーイちゃんに飴玉やったらすぐに懐いちまってよ、この通りネンゴロの仲だ」

「懐いてません！ネンゴロじゃないです！」

全力で否定する美緒。