気付かなかった。

白雪の指摘する通り、龍鬼は微かに笑みを浮かべていた。

リカに敗北し続け、強さを追求する日々。

しかしそれは、魔力に満ち溢れて鬱屈した嘗ての強大な自分より、遥かに心地よかった。