天神学園のお忍びな面々

「ほら、どうした立て」

「……ああ」

リュークの手を摑み、引き起こされる龍鬼。

悪くない。

1人孤独に修練に励み、力を出し尽くして歯を食い縛りながら、立ち上がる事も修行と思っていたが。

誰かに引き起こされるなど甘えでしかないと今も思うが。

…こういうのも悪くない。

「しかし効いたな、老師の半歩崩拳は」

「…ああ」

「あの半歩崩拳という技は、最初の踏み込みが要だと思うんだ。あの踏み込みで、技の発動を察知できないだろうか」

リュークは自分なりの解釈で、明日のリカとの稽古の対策を練っている。

こういうやり取りも、同門の仲間がいればこそか。