天神学園のお忍びな面々

道場を出て、校門を出ていく椿。

彼の旧姓は『琴月』という。

シオン一味の折に、一味に反旗を翻した琴月 紅葉の息子。

そして新生琴月流宗主だった琴月 孔雀の流れを汲む。

椿は、とかく孔雀と比較される事が多い。

琴月 孔雀以来の天才剣士、琴月 紅葉の血を引く天稟の持ち主と。

…荷が重かった。

多くは語らないが、父は椿が夕城次期宗主を継ぐ事を期待しているだろう。

夕城直系の牡丹や、臥龍の血を引く蘭丸に勝ち、宗主となる事を望んでいる。

望まなければ、こんな選定の儀に参加させる筈はない。

突然、分不相応と思われる運命を課せられた者。

どこか。

「おや?」

リュークに似ていた。